7.7
楽器の持ち方に悩みのある方に、気をつけるべき3つのポイントをご説明します。
1.楽器の先の向き
2.楽器の傾き
3.楽器の先の高さ
の3つです。
楽器はエンドピンの下を鎖骨に載せるようにするのですが、縁を鎖骨に載せるのではなく、裏板を載せるのです。縁しか鎖骨に触っていないと、胸郭に充分振動が伝わりません。つまり音が充分に出ません。
その前に立ち方にも3つのポイントがあります。
1.足を肩幅に開く(その場飛びをして着地した時の巾が最も身体が安定する)
2.
足//腰//肩(両足の踵、両方の腰、両肩を結ぶ線が平行になること)
3.体重は足裏全体にかける
1.楽器の先
弾く時に必ず守らないといけない条件は弦と弓が直角になることです。(弓先でも)
その条件を満たした範囲でできるだけ外に構えた方が音はよく出ます。先を内向きに構えた方が楽には持てますが、右腕の動きは消極的になってしまいます。
ただ楽器の先を外に出し過ぎると、弓先で弓が後ろに引けるし、右手で押え付けるようになってしまいます。身体に無駄な力がかからない範囲でできるだけ外に構えるのが良いです。
2.楽器の傾き
G線を弾く時、G線の左にC線があると思って弾くと、良い音が出ます。
3.楽器の先の高さ
楽器と弓を持たずに弾く格好をしてみて下さい。その時の位置より左手を上げないで下さい。楽器の先を手で持ち上げて高く持つと、その位置を維持するために無駄に力を使ってしまいます。

このシリーズ"The Way They Play"(彼らの弾き方)を見ても、手で楽器を高い位置に上げている人はいません。(楽器の先が上がっているように見える写真もありますが、それは写真を撮る角度の問題です。)
若いうちはどんな格好をしていてもなんとか弾けますが、無駄な力を使っていると無理がたたって腱鞘炎になってしまいます。
そうならないためにも、持ち方を見直しましょう。歳のいった人ほど気をつけましょう。
次回は弓幅についてご説明します。楽器の先を無理して上げたり、必要もないのに弓幅を広げるのは、無理を助長するだけで何のメリットもありません。腱鞘炎になりたくなかったら、無理をしないことです。 |