ひとりごと2002年7月分  


このページは私の日記のようなものです。私の感じること、周りで起こったことを書きます。


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7.31

 ここ何日か家にいなかったためにやることがたくさん残っていて、朝から送金したり車の点検をしてもらったりと忙しかったです。外に出るとあまりの暑さに大汗をかくので、シャツがすぐグシャグシャになってしまいます。
 栄子先生は私がレッスンをしている間にPTNAの審査のために出発しました。朝から何人かレッスンをした後、夕方5時前に家を出ました。3日間でほぼ400人近い人数の演奏を聴くそうで、これは本当に体力気力勝負の世界です。更に4日家に戻ってすぐレッスンがあるそうです。

 私は明日用事があるので昼休みから夕方まで練習所に行きます。この前の演奏旅行で団に運んでもらった楽器と衣装をケースから取り出さないといけません。去年までは私は楽器は1つしか持っていなかったので、演奏旅行の時はいつも楽器を持ち歩いていました。でもサブの楽器を買ってからはとても身軽になりました。
 でも良い事ばかりではありません。演奏旅行の時は家に置いていった方の楽器はしばらく音を出さないので、戻ってからしばらくはちゃんと音出しをしないといけません。
 逆にいつも2台の楽器に触れていると、弾き方についても2台の楽器で検証できるので、とても役に立ちます。それに楽器が1台しかないとその楽器に対する思い入れが強くなり過ぎます。そのためにどうしても気負ってしまうのです。2台の楽器を入れ替わりに弾いていると、無理しないで弾かないとちゃんと音が出ないのでとても勉強になります。それに何と言っても良い方の楽器を弾く時はうれしくなります。
 私は自分の経験から皆さんにサブの楽器を持つことをお奨めします。しばらくすると必ず弾き方に良い影響が出ると思います。

 今はメニューヒンの弾くブラームスのヴァイオリンソナタを聴いています。この前娘と3番のソナタを弾いた時はシェリングのCDばかり聴きましたが、アンプとスピーカーが変わった今メニューヒンのCDを聴くとあの時とは違うように聞こえてとても新鮮です。


7.30

 やっと家に帰ってきて落ち着いたところです。今日は広島発9:32の「のぞみ」に乗りました。今回は行き帰りともに富士山は見えませんでした。昨日乗った広島新下関間の「こだま」は行きが4両、帰りは6両という可愛いものでしたが、客席は空いていました。片側2列なのでとても楽です。広島から東京まで所要時間は4時間です。飛行機にしようか新幹線にしようかずいぶん迷ったのですが、結局は大して時間が違わないので乗り換えの少ない新幹線にしました。(広島の空港が市内から1時間近くかかるのが一番のネックです。以前の西空港は近かったので、前は必ず飛行機で帰っていました。人によっては昨日終演後小倉に行き、今日は福岡から飛行機という人もいるようです。また寝台特急で帰った人もいたという話です。)

 普段は家に帰ってすぐレッスンをしていたのですが、さすがにこの暑さではレッスンにも身が入らないので今日はレッスンは入れませんでした。明日からは普通にレッスンがあります。


7.29

 昨日までの3連戦はうだるような暑さとの戦いで、とにかく集中することを心がけていました。会館によると音が出ていない時にエアコンを効かせておいて、本番中はエアコンの音がうるさいので切るという所もあります。未完成などでエアコンの音がうるさいのでは話になりませんが、照明が強いステージの上にいる時にエアコンを切られるのはまた辛いものです。今日も暑そうですが、会場の中だけは涼しいと良いのですが。
 昨日も呉の駅から会場までタクシーで行ってしまったので良かったのですが、歩いた人達は会館に入る頃には大汗をかいていました。とにかく外気に触れるとムッとした湿気を含んだ熱気に襲われるので、本番までにウンザリしてしまわないように気持ちを維持するのが大変です。(お客様も同じ条件の下でわざわざ聴きに来て下さっているのですから。)
 それにしてもアルブレヒトさんはいつもうれしそうにニコニコとしていらっしゃって、この暑さが全然応えないように見えます。こちらも見習わないといけません。
 ホテルにいても私の部屋は東向きなので朝日が射し込んでくるのです。夜寝る時はエアコンを切っていますが、明け方になると寝ていられなくなります。あと1日の辛抱です。(10:20)

 今日は下関の今回の演奏旅行最後の演奏会でした。今回の演奏旅行は暑さのせいかとても長いものに感じました。最後の写真はソロのフォークトさんがゲネプロの前に私のすぐ後ろで練習されている姿です。ブラームスの1番のピアノ協奏曲はゆっくり目のテンポで、どちらかというと繊細な感じが強い演奏でした。私には特にトリルの独特な弾き方が印象的でした。毎回ブラームスが終わるとすごい拍手で、今日はショパンの遺作のノクターンをアンコールに弾かれました。
 プログラムの前半についてはテンポやニュアンスが独特で、よく弾かれるマイスタージンガーや未完成とは一味も二味も違うものでした。


7.28

 今日は呉市の市制100周年記念の演奏会でした。今日もマチネーの演奏会だったので、広島から呉まで午後1時半の列車に乗りました。それにしても昨日といい今日といい暑いこと暑いこと。
 昨日は割とゆったり目のテンポで進んでいったのですが、今日はちょっと感じが違いました。私自身は今日の方が馴染みが良かったです。

 今日本番の前に楽屋で私の持っていった「管球王国」を材料に盛り上がったのですが、評論家と我々演奏する者とは同じ音楽を聴いても聴いているものがまるで違うのだろうという話になりました。人によって色々な評価があるのは理解できますが、これしかないというような決めつけた言い方をされるのを見るとどうしても受け付けられません。例えばバッハの無伴奏の良い演奏についても、某評論家が某雑誌に書かれたのとはまるで違う評価でまとまりました。(私たちが聴く価値がある[手本になる]と思うものは、この評論家によると繰り返し聴く価値がないという評価を下されています。)オーディオについても雑誌に書かれたことを鵜呑みにしてはいけないというのが鉄則ですが、音楽についても同じです。そうなると一般の人は何を頼りにしたら良いのか分からないでしょう。(演奏についても本当のところは、評論家の目には触れないところで起こっているのです。演奏会だけ聴きに来ても本当のことなど絶対に分かりません。だからといって本当のことを知ることが良いとも言えないのです。これは演奏に伴って起こる本質的な大問題です。)

 マチネーの演奏会だとその後広島に戻ってもほぼ7時位なので、夜はとても長いです。といってもこの暑さなので私は簡単に夕食を済ませ、今は部屋に帰って休んでいます。折角移動のないスケジュールを組んだので、もう寝ることにします。(今は夜10時です。)


7.27

 昨日は家族が演奏会を聴きに来ました。家でCDを聴くのとは違って、生の演奏会はとても良かったようです。私は家に帰ってから今日からの旅行の荷物を作るのが大変でしたが、今日はゲネプロがなくなったので出発が1時間遅くても良くなったのでとても助かりました。

 今日は秋葉原で降りて、「管球王国」を買って行きました。(読んでみたらあまり面白くなかったのですが..........?)今日は列車に乗ると強いエアコンにさらされ、外に出ると厳しい暑さにさらされ体が持たないです。新幹線のエアコンは強すぎてシャツ1枚でいると体の芯まで冷えてしまいます。

 今回は対向配置での演奏なのですが、ハープまでがセカンドの横にいます。いつもとは音の聞こえ方が違うのでとても新鮮だとのことでした。今回のように弱音を大切にするような指揮者の場合には、対向配置ではとても弾きにくいです。私自身としてはもう勘弁して欲しいという感じです。昨日はなかったアンコールが今日はあり、ショパンの夜想曲(遺作)が弾かれました。

 終演後新大阪までタクシーで行ったのですが、思いの外時間がかかりました。結局広島には8時半すぎに着きました。これで帰るまで移動がないので楽です。


7.26

 昨日はペースが合わなかったですが、ゲネプロで通して弾いて大体の様子がつかめたおかげで本番はあまり困りませんでした。練習の時は通して弾くのではなく、それぞれの個所を磨くというやり方だったので、全体のイメージがつかめなかったのです。ただ私の希望としてはもう少し発音の頭が分かりたかったです。プロとしては後半がかなり重いですが、楽しめると思います。

 明日は大阪のシンフォニー・ホールでの演奏会です。午後4時からのマチネーなので、終わったら広島まで行ってしまいます。今回は明日とあさってがマチネーなので、思ったほど自由時間があるわけではありません。今日は夜の本番なのに明日は午前中の新幹線で大阪に行かないと間に合わないので、旅行の用意をこれからしないといけません。
 帰りに楽器と黒服を団に預けたので、着替えとPowerbookを持って行くだけですむので気楽です。去年までは楽器を自分で持って歩いていたのですが、今ではとても身軽です。そのかわり次が降り番の私は、楽器と黒服を取りに行かないといけません。それでも旅行中にカバン1つでの身軽さですむことはとても有り難いです。


7.25

 ここ2回のシリーズを通して、アルブレヒトさんはとても面白い音楽をされる方なのは分かるのですが、私には結局よく分からないままです。なるほどと思わせられるところは何ヶ所もあるのですが、ペースを合わせられません。どの曲にもすごく思い入れがあって、色々なところでこうして欲しいと熱弁を揮われています。練習の仕方はブロムシュテット先生を彷彿とさせるところがあります。ただ弾き手の印象と客席での印象とはまるで違うものですから、聴いてどうかという部分については私には分かりません。

 今ブラームスのピアノ協奏曲1番の聴き較べをしています。といっても全部を聴くほど時間がないので、1楽章だけの比較しか出来ません。持っているのはホロビッツ、アラウ、バレンボイム、ブレンデルの4種類です。好みという意味ではブレンデルが一番ピッタリ来ます。
 この聴き較べをしながらついでにB&Wとの聴き較べもやってみました。B&Wだけを聴いていればそれなりに聴けてしまうのですが、アンプが300Bのシングルだからかもしれませんがピアノの音が細身で粒状に聞こえてくるのです。私の環境では音から音へのつながりはハッキリとRogersの方が上です。今はRogersばかり聴いているので、音が段々こなれて来ています。(音がどんどんソフトになってきているので、これから先が楽しみです。)

 アクセス数が444444の記念を出そうかとも思ったのですが、縁起が良くなさそうなのでやめました。


7.24

 今日は「夏」の練習でした。ワグナーの「ニュルンベルクの名歌手(マイスタージンガー)」序曲、シューベルトの未完成、ブラームスのピアノ協奏曲のカラオケ(ソロなし)という順番で練習しました。マイスタージンガーのような曲になるとこの前のマーラーと同様に、指揮者の血が騒ぐような感じがします。ただきれいな音を出すだけではなく、汚くても意味のある音を出すようにさかんに言われます。未完成でも同じようなことを言われるのは意外でした。時々フレーズの変わり目ですごく遅くすることがあるかと思うと、ほとんどrit.なしにテンポ通りに進むところもあったりと、変化に富んでいます。
 細かいところを気にしないで棒の雰囲気に乗れさえすれば面白いと思いますが、どうしても合わないことが気になって思わず一歩引いてしまいます。何回かアルブレヒトさんの棒の下で演奏会で弾けばそれも解決するのでしょうが、今回のような短期だとなかなか難しいものがあります。でもメリハリの利いた演奏にはなると思います。
 明日もう1日練習があった後、NHKホールを皮切りに大阪(シンフォニー・ホール)、呉、下関という演奏旅行になります。大阪の演奏会が夕方ということもあって、初日に移動してしまえば帰るまで移動がないので今回はその日に広島に行き3泊します。広島にはよく泊まるホテルがあるのでここだと安心できます。その後私はひと足早い夏休みになります。(もっとももう既に夏休みに入っている人もいます。)


7.23

 このところN響が休みになっても他のやり残した用事がたくさんあるので、休みになりません。今日も朝から用事があり、気がついたら夜8時でした。実は私は去年からVirtual Domainをとっていたのですが、ホームページの内容をそちらに移す時間がなくてそのままになっていました。今度のN響の「夏」が終わったら移そうと思っています。私は今ISDNで接続しているので、28MB以上にもなるホームページの内容を新しいサーバーに移すにはかなりの時間がかかるので、困っています。多分8月に入ったら新しいURLに移れるでしょう。(ケーブルテレビと契約しようかなと今迷っているところです。)

 以前は毎月18日になると必ず本屋に行ってMAC POWERなどを買い込んだものでしたが、今では最新情報はWEB上で読んだ方が速いです。こうなると月刊誌を買っても特に新しい情報は手に入りません。そのせいでパソコンの雑誌がどんどん廃刊になっていきます。初めは雑誌に頑張って欲しかったのですが、インターネットの情報の速さには勝てないようです。更に言うとパソコンの新製品にあまり魅力がなくなってきました。新しいソフトも機能ばかりが多すぎるし、ハードの方もそれでなければという魅力が今一つ欠けています。今持っている物でも差し当たりは充分なので、何もあわてて新製品に手を出す必要など全然ないのです。
 ただOS Xでしか動かないような機種が出てくるようになったら、OS9で動く機種を手に入れておこうと思っています。(現状ではOS Xに移行しても苦労が増えるだけだからです。)


7.22

 今日はサントリー名曲シリーズの本番でした。マーラーの6番というのは名曲だと思いますが、この曲はいたるところにrubatoがあり、オケと指揮者が何度も演奏した経験がないと本当にピッタリというわけにはいきません。演奏自体はゲネプロの時の方が良かったような気がしました。本番の時はフィナーレも終わり近くなっていくつか事故が起こったからです。(客席ではほとんど分からないと思いますが。)
 曲の表情を出すという意味ではなかなか面白いものがあったと思います。ですが棒の動きを見ていると合唱団を指揮しているよう錯覚に陥ります。特にこのような大規模の曲になるとオケ自体が大所帯なので、指揮のテンポが変わってもオケ全体が速度を変えるのにはある程度のタイムラグがあります。それを無視されているような気がするので、とても弾きにくいところがありました。
 ただスケールの大きさはよく出ていたように思いました。この次の演奏会を先にやった後に今日のプロをやったらもっと違う良さが出たのではないかと惜しい気がしました。

 今日はゲネプロの後お昼を食べたら、あまりの暑さにどこにも行きたくなくなってしまったのでビールの小瓶を飲んで爆睡しました。
 今日の演奏会は普段より短い点は良いのですが、曲目はいささか暑苦しかったです。次の「N響の夏」は聞き物だと思います。(N響との相性の点で次の方が多分面白いと思います。)


7.21

 今日はマーラーの練習2日目でした。とても面白いところがあるし演奏効果もかなりあると思うのですが、全体の見通しがよく分からないところが弾く上では困ります。とてもイマジネーションに溢れた方だと思うので、上手く噛み合えば名演になると思います。明日本番の時に噛み合うかどうかが勝負です。セカンドから見ると内声の動きがうまく入らないところが何ヶ所かあります。アルブレヒトさんはそういうことをあまり重要視されていないようで、曲の表情が第一ということのようです。ただ弾く側から言うといつ弾いていいのかよく分からないというのは、指揮者の要求が分かったとしても弾きようがないのです。
 でも本番の時にうまく噛み合えばすごい演奏になる要素もたくさんあります。迫力はとてもあるし、ただきれいなだけではなく思い切り弾いて欲しいということをさかんに言われています。まだ最後の一瞬でお互いに探り合っているところがあるのかもしれません。とても可能性の大きいまだ未知数の存在です。
 明日の演奏会は1曲だけですから短いプロですが、重量感はすごいので弾くこと自体体力勝負の上にとても大変です。サントリーホールの演奏会だとゲネプロと本番の間の数時間を過ごす方法があまりありません。

 最近Powerbookのバッテリーが持たないので、通信販売でバッテリーを買いました。Appleの純正のバッテリーではないのですが、リチウムイオンの純正より長持ちということが売りのバッテリーが昨日届きました。昨日一日充電して今日練習所にPowerbookを持って行ったのですが、やはり新しいバッテリーはもちが違います。バッテリーはやはり1年も経つとハッキリ持ちが悪くなります。この調子ならあと半年から1年はこのPowerbookで過ごせそうです。


7.20

 今日明日と連休のせいか、京葉道路は下りが市川インターから穴川まで20km位渋滞していました。上りは空いていて、結局練習所まであっという間に着いてしまいました。休日出勤はこういう意味ではとても有り難いです。

 マーラーの6番「悲劇的」の練習でした。指揮はマルク・アルブレヒトさんです。こういう曲の練習の時の一番の問題は全体の見通しをどうつけてくれるかなのですが、部分的なテンポの変わり方とか表情のことが気になられるようで、今日の練習では全体をどうしたいということはよく分かりませんでした。今回は久し振りに対向配置での練習でしたが、指揮者はあまりセカンドの方を向いてくれませんでした。特にテンポについてはrubatoを効かせたいようなのですが、実際に弾いていると棒だけではどうしたいのかあまり分かりません。指揮者は対向配置には慣れているということだったのですが、今日見ている限りでは伴奏音形に対してはほとんど合図を出してくれませんでした。ただ指揮者の本領というのは初日の練習では分からない場合も多いので、アルブレヒトさんについては依然として未知数としか言えません。(初日は遠慮していても、段々と本領発揮という場合も往々にしてありますから。)

 私が家で聴く色々な演奏家の中で何回も聴いて飽きないのは、オイストラフ、ミルシュタイン、フランチェスカッティです。技術的にだけではなく、音楽的に素晴らしいのです。特にミルシュタインは単なる技巧派と思われている節がありますが、音の出し方も音楽の持って行き方も素晴らしいものがあります。若い時のオイストラフも年をとってからとは違って鋼のような弾力を持った強さにとても魅力を感じます。フランチェスカッティは何と言っても音色が素晴らしいです。この年代の人達は皆独特の音色と、技術と音楽のバランスの良さを持っていました。今の演奏家には求められない何かをこの年代の演奏家は皆持っています。これは時代の流れなのかもしれません。平均値は前に較べてハッキリと上がっているのですが、聴き手の心をつかむ力は昔の人の方が強いです。オーケストラも同じことが言えるのでしょう。部分的に見れば今の方が絶対に良いのですが、魅力ということになると「?」........今もミルシュタインの小品集のレコードを聴いていますが本当に見事です。次はフランチェスカッティを聴こうかな........
 私は技術的にしっかりしていてその中ですっきりと自分の音楽を表現してくれる人が好きです。ですから不思議な魅力はあっても技術的に不安定な人は愛聴盤には出来ません。


7.19

 昨日家に来られた横山さんのホームページに私が紹介されていました。横山さんの作ったエレキットの6BM8のアンプはN響の人達の間を動き回っていて、これを聴いた人はほとんど真空管アンプに興味を持ちます。(その中では1人だけ師匠を追い抜いてしまった私です。)

 今日レッスンに来た子の中に、スケールの練習を続けているのになかなか音程が良くならない子がいます。栄子先生のひとりごとにも書いてあるように、ごく当たり前のこと(1音づつ音程を確かめること。)をほんのちょっといい加減にやっているだけなのに、そのちょっとしたいい加減さが原因でいつまで経っても殻が破れないままになっているのです。本人もちょっと手抜きしたことは分かっているのですが、それが上手くなれない最大の原因だとは夢にも思っていないのです。そういうことから言えば誰もが上手くなるための方法は知っているのです。
 弾けない時は1音づつゆっくり弾いてみることです。左手の準備を早くして、きれいな音程をとることが第1段階、右手の動きを理解して弾く前に弓の準備をすることが第2段階、その両方を同時にやってみることが第3段階です。その後少しづつ速く弾けるようにするのです。片手づつやらない上にゆっくりも弾かないで、難しい曲が弾けるようになるはずなどないです。レッスンの時に生徒にはこの事を言っているのですが、新しい曲になるとまた同じことの繰り返しです。
 才能というのは器用に物事をこなすことではなく、こういう一見無味乾燥なことに耐えてやるべきことをやれるかどうかが問題なのです。一見器用な子の方が上手くなりそうに見えますが、本当はちょっと不器用な子の方が伸びる要素があるのです。(自分が器用だと思っている子は器用貧乏に陥りやすいのです。)


7.18

 すみだトリフォニーホールでMusic Tomorrow2002の本番でした。場所は錦糸町なので朝は9時40分に車を動かして10時にはホールに着きました。いつもここで演奏会だと良いなと思いました。今日の演奏会はお客様はかなり入っていたにもかかわらず、あまり盛り上がりませんでした。どうしてこんなに反応が冷めているのか理由がよく分かりません。普段の定期とは会場の雰囲気が違うのは分かるのですが、今一つ理由がつかめませんでした。前のように定期で尾高賞受賞作品を演奏するようなやり方の方が、新しい作品を認知してもらうには良い方法ではないかとあらためて思った演奏会でした。最後は吉野直子さんのソロで盛り上がったので良かったです。

 今日はゲネプロのあとお昼を食べてからYさんと一緒に家に戻りました。YさんもRogersのスピーカーを使っていているそうです。Rogersのスピーカーを使っている人はN響には他にも何人かいるそうです。YさんはB&WとRogersを聴き較べて、私がRogersの方が好きだという理由がよく分かったそうです。リビングの方のシステムも一緒に聴きましたが、どうも中音域が今一つスッキリしなかったことの対処法が分かりました。今まではDevonのEnergyというスイッチを+1段階上げて、プリのTILTスイッチを高域側を1段階出すように設定していました。ところがプリのTILTを反対に低域側を1段階出すように設定し直したら、とても音がスッキリして良い感じになりました。(初めはDevonのEnergyを2段階上げると良いように思ったのですが、家に帰ってから音を聴いて見たら1段階上げるだけにしておいた方が全体のまとまりが良いようでした。)


7.17

 前は尾高賞受賞作品を毎年2月か3月の定期の中の1曲として取り上げていました。最近はMusic Tomorrowという形で邦人作品ばかりを集めた演奏会として取り上げていますが、私の感じでは前のように定期の中の1曲として取り上げた方がずっとアピール度が高いと思います。今回のように4曲続けて邦人作品だけを演奏されたとしても、聴く方はたまらないという感じしか抱かないと思うのです。(普通のお客さんがこの演奏会のチケットを買うかと聞かれたら、「?」という返事しか出来ません。)定期のプロの中の1曲として新作を取り上げるということを続けていくのでないと、演奏される作曲家の弟子達しかこの演奏会を聴かないというようになってしまうでしょう。
 明日は会場がすみだトリフォニーなので、家から20分も見ておけば間違いなく着けます。明日はゲネプロが終わったら家に戻ります。

 今日練習所に行ったらホルンのYさんが昨日ThinkPadを買ったそうで、早速それを見せてもらいました。(YさんがPowerbookにOS X10.1.5をインストールしようとしたらどうやっても出来ないというので、アップルの修理センターに預けることになったようです。そうするとしばらくPowerbookに触れないので何かないかなというので、渋谷に行ってThinkPadを見たら買うことになってしまったそうです。)Powerbookに較べると軽くて小さくて、演奏旅行の時などとても魅力的に見えます。ただインターネットに接続しようとするとMacの方がずっと簡単です。いつもはPowerbook G4を使っているYさんも、インターネットに接続するのに一苦労していました。やはり両刀遣いのKさんに設定を見てもらって何とかインターネットに繋げたようでした。私は今更苦労したくないので、このまま行きます。

 今は今日生徒が持ってきたCDを聴いています。この子は楽しみにヴァイオリンを弾いている子なのですが、自分でよく銀座のヤマハなどに行って色々なCDを探すようです。今日はギル・シャハムの弾く悪魔のダンスというCDとStarWarsのCDを私に聞いて欲しいと言って置いていったのです。初めは何を考えているのかよく分からない子だったのですが、今では毎回毎回スリッパちゃんに会えるのを楽しみにニコニコして来るようになりました。


7.16

 今日もMusic Tomorrowの練習でした。正直に言うと私はどうもMusic Tomorrowは苦手です。弾いていてどこが良いのかよく分からないのです。ですからそれぞれの曲の印象については何も言えません。私は今回の曲の中では田中カレンさんの曲に一番共感を覚えますが、ちゃんとした根拠があっての話ではありません。
 もし台風が午前中に東京を襲うようなことが予想されるのだったら練習が取りやめになるかもしれないというので、もし変更があるなら昨日の夜の10時頃までに電話連絡があることになっていました。結局そのような電話はなく、今日は普通に練習がありました。私はいつもより10分ほど早く家を出たのですが、道はほとんど混んでいなくて練習所までほぼ30分位で着いてしまいました。他の人達も早く家を出た人達がたくさんいたようで、練習所に着いたらもう既に着いている人がたくさんいました。
 お昼休みの時も大して雨が降っているわけでもなく、いささか拍子抜けの台風でした。といっても豪雨の被害を受けた地方がたくさんあるようで、特に被害のなかったのは不幸中の幸いなのですが。

 あさってのゲネプロと本番の間に真空管アンプの先輩Yさんに家に遊びに来てもらうことにしました。どのような印象を持たれるのかちょっと興味があります。私は作ること自体に意味を見つけているのではなく、製品であれキットであれ良い音がすればよいのです。それに私の一番の理想は楽器と同様に聴いているうちにステレオを意識しなくなるようなものです。楽器も自然と一番良い物で弾く機会が多くなりますが、ステレオも同じで一番良い音のシステムで聴くようになります。
 色々聴いていると演奏自体については色々言いたいことはありますが、ステレオについては音楽を聴くうえで邪魔をしなければ良いのです。


7.15

 今日は尾高さん指揮のMusic Tomorrowの練習初日でした。Music Tomorrowの曲としては古典に属する曲が多かったです。田中カレンさんの失われた聖地が初演だというのがいかにもMusic Tomorrowという感じです。今回は錦糸町のトリフォニーが会場なので、家から15分もあれば着くのがうれしいです。

 今日は朝からいささか寝不足で練習の間中調子が悪かったのですが、家に帰ってから30分位寝たらスッキリしました。明日も寝不足にならないように今日は早く寝ることにします。


7.14

 昨日の会場オペラシティは天井に特徴があります。ステージの上で会場の奥を見るとはるか上まで吹き抜けているのは壮観です。
 この会場は出演する側から言うと、ゲネプロから本番まで過ごす場所がないのです。楽屋はちゃんとした物がありますが、近くに時間を潰せる適当な場所がないのです。ですからここでの演奏会の時はどこかに行くしか方法がないのです。もっとも昨日は本番は16:00からだったので、昼食をとってから用事を済ませたら本番1時間前ぐらいでしたのであまり困りませんでしたが、夜の本番の場合には本当に手持ちぶさたな会場です。(多分オペラシティにはあまり来ないので、うまい時間のつぶし方を知らないだけなのでしょう。)

 前にご紹介したサンバレーのホームページの中に「ザ・キット屋店主のひとりごと」というコーナーがあって、ここには色々な面白い話が登場します。最近面白いと思ったのは、ウィルソン・オーディオのスピーカーに関連して最近のオーディオの方向性は好きではないという文と、近い音・遠い音という文です。オーディオそれもキットを売るという立場からは言いにくい部分もたくさんあると思うのですが、なかなか参考になる読み物です。
 名演奏というのはラジカセで聴いても良く聞こえるものです。結局聴き手の想像力が実際に出ている音を補ってイメージを膨らませていくのです。楽器と同様にどんなに良いお道具を持っても、使う人がその良さを分からなければ猫に小判です。それこそ弾き手がStradに馬鹿にされるのと同じ理屈です。(本物が分からないのに高い楽器を無理して買って、見事に偽物を掴まされるということは結構よくあります。オーディオの場合は偽物ではないですが、ただ高いだけの物を買わされることはよくあります。)高いお道具を買うお金があったらたくさん演奏会を聴きに行って、CDやレコードをたくさん買って聴いて耳を育てた方がはるかに実入りが多いです。そうやってみるとそんなに高いステレオでなくても充分音楽の真髄に触れることが出来ることが分かるはずです。
 私にとってキット作りは楽しみですが、実際に良い音が出なければいやです。ですからメインアンプは真空管アンプですが、プリアンプは今までキットを4つ作りましたが、結局石のプリを使っています。スペックなどどうでも良いのです。私にとっては一生懸命聴いているうちにステレオの事など忘れて音楽に打ち込める音が出ていればそれで良いのです。(でもこれは演奏が良くて、それを再生する機械も良くないと実現しないのです。ですからステレオから出る音は、どういう演奏[音楽]が良くてどういう音が良いかを問われているわけで、その人の音楽性そのものなのです。ですから私はステレオから出る音にこだわるのです。)


7.13

 今日はイケるジャンクラシックVol.2の本番でした。とても楽しい演奏会で、特に山下洋輔さんのピアノは圧巻でした。ピアノだけのところになると即興で弾かれ、本番の時など練習の時とはまるで違うノリでした。いつも聞きなれているクラシックのピアノとはまるで違う世界の音楽で、見るからに楽しそうな演奏でした。ギターの村治さんも素晴らしかったです。最後にアンコールに村治さんと山下さんがお2人でN響と弾かれました。
 指揮はN響のアシスタント・コンダクターの2人(岩村さんと齊藤さん)がしました。2人ともN響デビューになります。この2人もこれから色々なところで活躍されるでしょう。
 この演奏会は普段着で弾くということが売りの演奏会で、我々弾く側から言うと本番のステージに出る時にまるでゲネプロが始まるような気しかしません。そういう意味ではかしこまらずに弾けるのですが、今一つ気持ちが引き締まりきらないのも事実です。我々の感覚から言うと、せめて黒服ぐらいは着ないと本番という感じになりません。(だからクラシックは堅苦しい印象が強いのかな?)

 この本番が終わってオペラシティを出たのがほぼ18:30でしたが、江戸橋まで下の道を走り、そこから首都高を走って19:15頃には市川市文化会館に着きました。(定期が終わるような時間にならないと、大体渋谷や新宿から家に帰る時には江戸橋まで下の道を走った方が速いです。)
 着いたらラフマニノフの4楽章を練習していました。会場の響きのせいかも知れませんが、管楽器に対して弦楽器が埋もれているように聞こえました。ラフマニノフは弦楽器にとってはとても難関なので、皆無気になって弾いているので弓幅が大きすぎるように見えました。もっとハッキリと弾くことに専念した方が良いのかもしれません。
 明日は時間がないので、ゲネプロも本番も聴けません。


7.12

 昨日はステファンスカ先生追悼演奏会のあと色々あって、家に帰ったらかなり遅くなっていたのでひとりごとの更新は出来ませんでした。最初にショパンの連続演奏会の第1回の時のステファンスカ先生の演奏がビデオで流れ、そのあと音楽学部長の高橋大海先生のお話があり、それから演奏が始まりました。学部と大学院の学生が3人、先生がお2人演奏されました。

 今日は明日の「イケるジャンClassic」Vol.2の練習でした。前回はデュトワ先生指揮でしたが、今回はアシスタント・コンダクターの岩村力さんと齊藤一郎さんのお2人が交代で指揮をされます。今回は服装は自由で、くだけた私服で弾くことになっています。曲目も軽くて聞きやすい曲が中心で、なかなか楽しい演奏会になると思います。明日はロドリーゴの「ある貴紳のための幻想曲」(ソロ:村治佳織)と「ラプソディー・イン・ブルー」(ソロ:山下洋輔)の2曲のコンチェルトがあります。どちらも聞き応えのある楽しい演奏です。

 明日は本番は16:00〜18:00ですが、そのあと市川市文化会館に行って市響のあさっての本番のためのゲネプロを聞きに行きます。(本番は時間がとれないので、残念ながら聴けません。)今回はR.シュトラウスの4つの最後の歌と、ラフマニノフの交響曲第2番というプロです。このプロは先日亡くなられたスヴェトラーノフ先生が得意とされるようなプロで、ラフマニノフの交響曲について、「世の中ではラフマニノフはチャイコフスキーの亜流であると思われていますが、とても偉大な作曲家で私はとても気に入っています。」と力説されていたことを思い出します。


7.10

 今日は札幌からの帰りの飛行機は台風のために時間が遅れたそうです。夏の演奏旅行は台風や豪雨にたたられることはよくあることで、今までにも何回も雨の洗礼を受けています。本番の日の移動が雨のために遅れ、本番が遅れて始まったということも2〜3回あります。雨のために演奏会がキャンセルになったこともあります。今年の夏の演奏旅行はこれから始まるわけで、事故がないことを祈るばかりです。

 この休み中は普段あまり弾けないGuadagniniの方をたくさん弾いたので、やっと反応が良くなってきました。どうしても無理して音を出そうとしてしまうのですぐ音がひっくり返るのですが、角の丸い音が出るようになってきました。楽器が1台だと何も考えずにそれだけを弾いていれば良いのですが、2台あってどちらも良い状態にしようと思うとなかなか大変です。更に弓が3本あるので、こちらもペース配分が難しいです。楽器は毎日ちゃんと音を出していないとすぐ音の伸びが悪くなります。

 今は使わなくなったアイシン高丘(TAOC)のサウンドクリエイトボードSCB45(2枚組)を欲しい方に15000円でお譲りします。ご希望の方はメールを下さい。(出来るだけ手渡しの出来る方を希望します。)


7.9

 N響は今日は札幌でPMFの演奏会です。こちらの様子は横山さんがホームページで紹介されていますのでこちらをご覧下さい。ジョシア・ベルさんのソロのベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲と6月のB定期で弾いたコリリャーノの交響曲というプロです。
 横山さんのホームページで紹介されているように、セカンドの首席の堀江さんが最近PowerbookG4を買われて今一生懸命格闘中です。休憩時間に色々質問をされるのですが、私はOSXを使っていないのでそれ関連の話になるとお答えできません。私は今までの蓄積があるのでOSXにはまだ移行できませんが、これから始める人は初めからOSXでやれば良いので、私たちより苦労は少ないのかも知れません。今になってみると私の環境が一番遅れているかもしれません。デスクトップはPowerMacG4/400、Powerbookは2000年版のG3/500MHzとiBook/500MHzです。特にメインに使っているPowerbookG3/500は今でも快調に動いていますし、この前液晶を交換したのでまだまだ使えます。もう少ししてOSXでしか動かない機種が出るまでは今のまま行くつもりです。

 私は今日新しいレッスン室の物入れの整理をしたのですが、オーディオとビデオの接続コードとスピーカーコードが色々なところから売れるほどたくさん出てきたのには閉口しました。ごく普通の安物のコードばかりですが、急場の役には充分立ちそうです。N響アワーをご覧になった方から今日もたくさんメールをいただきました。ありがとうございました。
 前にB&Wで聴いてあまり感心しなかったシェリングのバルトークのヴァイオリン協奏曲を、今Rogersで聴いてみたらとても良い演奏に聞こえます。やはり真空管アンプをメインにするのだったらB&Wを選んだのが間違いだったということになります。(私がB&Wを選んだのは悪いところがないという消去法で選んだからです。それにRogersなどもう作っていません。)B&Wというのはアンプを換えてもあまりその違いが音に出てきません。またソフトも選びません。(Rogersの方はソフトが良くないとてきめんに音に出ます。)またボーイングなどもRogersの場合はよく分かるのですが、B&WではRogersほどは分かりません。(アップダウンという意味ではなく、弓の使い方という意味です。Rogersで聴くと細かい起伏まで分かるのですが、B&Wで聴くと大きい起伏は分かるのですが細かい起伏はなくなってしまっています。アップダウンくらいならどんなスピーカーでも分かります。)またB&Wの方が腰高な音のバランスです。
 B&Wは良くも悪くもスピーカーの個性が他を圧倒してしまうのでしょう。よほどアンプを選ばないと平均的な可もなく不可もない音しか聴けません。


7.8

 昨日N響アワーがあって以来、多くの方からメールをいただきました。お一人づつにお返事を書くのはいささか大変なので、この場をお借りしてお礼を申し上げたいと思います。ありがとうございました。

 今日久し振りに楽器屋さんに行きました。Sgarabottoを手に入れてから半年が経ちますが、N響で弾いているせいかよく音が平均して出るようになりました。自分で弾くだけでなくオケの中で他の楽器の音に共鳴していることが、楽器に良い刺激になっているようです。楽器の慣らしにはオケの中で弾くことが一番かもしれません。思ったよりずっと早く馴染んでいます。
 楽器屋さんに行った途端に、昨日テレビで見たよという話になり、しばらくその話で盛り上がりました。この梅雨の季節というのは楽器にとっては悩みの多い季節です。新しい楽器を手に入れた時は、最初の梅雨を問題なく過ごすことがとても大切だそうです。Sgarabottoも問題なく過ごせていますから、来年からは問題を引き起こさないでしょう。

 その前に秋葉原に行き、借り物のステップアップトランスを返し、アドバイザーに紹介してもらったスピーカーの払いを済ませました。今日もオーディオも楽器と同じだという話でしばらく盛り上がりました。
 私たち弾き手はオーディオに原音再生を求めているのではありません。実際の演奏のイメージを得られることが一番大切なのです。弾き手の感じること考えることが伝わることが大切なので、松やにの飛び散るような音が出るか出ないか等どうでも良い問題なのです。(音楽ファンにとってもそれが一番大切なのだと思います。オーディオファンはどうだか知りませんが。)原音再生など所詮無理なのです。Stradに使っている木をスピーカーのエンクロージャーに使うのでなければ、Stradの音など出るはずがないのです。(そんなスピーカー1台分の木を集めるのに一体何十億かかることか。こんな事を書くと本当にやろうとする人がいるのが、オーディオの世界の恐ろしくて馬鹿げたところです。)それにラジカセで聴いても名演奏は名演奏なのです。


7.7

 先ほどN響アワーを見ました。自分がテレビに出ているのを見るのは気恥ずかしいです。池辺さんは新宿高校の時の先輩で、この前の定期の時にNHKの1階の食堂のところでお会いした時に「新宿の話をしといたよ。」と言われました。この録画は先月の中旬だったのですが、この時から見ても既にメインのスピーカーがRogersに替わっています。(今回スピーカーは映されていないので、B&WからRogersに替わったことは分かりませんが。)
 番組の最初に映っていたのは東大の赤門です。この日はあいにく雨で傘をさしての撮影になりました。(実は赤門は学生時代はそれほど通っていません。お茶の水からバスに乗って行くので赤門は通らなかったからです。)その後物理学科の建物に移動してロケをしました。(それが次の物理の部屋です。)私が在学していた頃の物理学科の建物は今の建物の隣にあります。ですから撮影した部屋は最近出来た研究室です。
 それから家の中が紹介されましたが、アンプが置いてある部屋が私のレッスン室です。家族が集まっていたのが2階のリビングです。ステレオについては1階のレッスン室がメインのシステムで、私が気に入っているものはこちらに集めています。2階のリビングは気楽に聞けることを主に考えています。

 今日はたまたまレッスンが全然なかったので、今まで作れないでいたMCカートリッジのステップアップトランスを作りました。2時間位で完成できました。こちらはリビングで使うためのものです。まだ真面目に音を聴いていないのですが、一応予想したような音が出ているので安心しています。
 今はMilsteinとFranco Gulliの演奏している小品集のLPレコードを聴いています。この前エネスコの弾くバッハの無伴奏を聴いたのですが、これは色々な意味で面白いものです。音程などかなり派手に外れているのですが、ずっと聴いていると不思議な迫力があり最後まで聴いてしまいました。でもこれを例えば生徒に薦められるかと言えば「?」です。でもこういう演奏もあるのだなと納得させられるものは充分にあります。


7.6

 このところステレオの話ばかり書いているような感じですが、最近強く感じるのはステレオ選びは楽器選びと同じだということです。基本的な音質はやはり楽器が決めるのですが、その中で弓をうまく選ぶととても良い効果を上げることがあります。楽器の調整とか弦の選び方というのは楽器選びの場合決定的なファクターにはなりません。魂柱がとんでもないところに行ってしまっていても、Stradは良い音がするそうです。また弦を替えてある部分音が良くなったとしても、本質的に音色が変わるというようなことは期待できません。
 ステレオの場合楽器に相当するのがスピーカー、弓に相当するのがアンプやCDプレーヤー、レコードプレーヤーでしょう。楽器の調整に相当するのがセッティング、弦の選び方に相当するのがコードの選択というように感じます。本当に良いものを持っているスピーカーなりアンプはセッティングが少々おかしくても必ずその良さを見せるものでしょう。またコードの違いというのは本当にセッティングを追い込んだ後に味付け程度に意味を持つもので、コードを替えたら音が激変するというようなことはないと思います。もしそうなるのだとしたらそれはどこか基本的に間違っているのでしょう。
 オーディオは金さえ出せば音が分からない人でも最高の物を手に入れることが出来てしまう幸せな世界です。楽器の場合はいくら金を積んでも弾けない人の前にはStradなど姿を見せません。もしStradが姿を現したとしても、それが本物である保証など全然ない上に、1台買うだけで億の単位の金が必要なのです。精々1000万クラスのオーディオで何億という楽器の生の音を聴けるというのは無理な相談なのです。
 楽器選びの場合結局は弾き手の趣味というか音楽的センスが問われていることになるのですが、オーディオも同じだとつくづく感じます。(どういう音を出すのが良いのかということが分からないと、良いスピーカーも選べないでしょう。実際真空管アンプを置いている店でも、音楽的に納得でき傾倒できる音を出しているところはほとんどありません。crescendoするところを聴くと良くないシステムはすぐ分かります。)同じスピーカーでも持ち主によってまるで違う音が出ます。これこそ一番大切な要素で、これは人に教えられるようなものではないのです。オーディオというのは実演を出来るだけ自分のイメージに近く楽しむための方便なのです。道具に金をかけるなら色々なCDやレコードを聴いた方が実りは大きいものです。(ですから私はもうステレオの機械で悩むことは止めました。)

 更に言うと、音の判断というのは基準が難しいのです。安物の楽器しか知らない人が何百万クラスの楽器を見たとしてもその良さは分からないものです。特に新しい高い楽器の評価を今まで自分が持っていたボロ楽器を基準にして下すのですから、正しい判断など出来るはずがないのです。オーディオも同じです。楽器の場合は楽器に教われといいますが、オーディオの場合はオーディオに教われということです。安物で作った自分のイメージなど音を判断するときには何の役にも立ちません。


7.5

 今日は都心を抜けて東名まで行くというので渋滞が心配でしたが、結局江戸橋から谷町までの間が渋滞しただけで、思ったほど時間はかかりませんでした。(帰りは更に順調で1時間+α位で家に着きました。)

 昨日の市川と言い、今日の秦野と言い東京近郊での演奏会の難しさを浮き彫りにしていました。興味のある人は少々遠くても定期を聴きに行かれるので、平日の夜の演奏会という時間設定だと難しいものがあります。今日はゲネプロの時は全体にゆっくりなところのテンポがすごくゆっくりでしたが、本番になったら出だしは同じ感じでしたが、終りに進むに従ってテンポが上がっていきました。練習の時と本番との違いは意識しての事とは思いますが、いささかびっくりさせられます。

 栄子先生は明日神戸の審査があるので、夕方の新幹線で神戸に行きました。明日の夜戻ってきます。


7.4

 11時から芸大のモーニング・コンサートを聴きに行きました。娘はショパンの2番を弾きました。芸大フィルハーモニーには私の知り合いが何人もいました。終演後楽屋に行ったらその人達に会い、しばらく話し込んでしまいました。そのあと文化会館の中の精養軒に行きお昼を食べました。そのあと家に戻り、すぐ市川市文化会館に行きました。

 昨日本番前に体調を崩された小松さんは、今日は快調に弾かれていました。昨日は客席では何が起こったのか何も分からなかったそうで、今どのような状態でこの後どのように進行するのかということを、もっと早くアナウンスすべきであったでしょう。私のところにも何通も何が起きていたのか分からなかったというメールが来ました。
 今日はバンドネオン協奏曲は楽章が終わるたびに拍手が起きていました。今日の小松さんは昨日の事が信じられないくらい元気でした。

 明日は今回のシリーズの最後秦野の演奏会です。東京を横切っていかなければいけないので、夕方のゲネプロに間に合わせるために早く家を出ます。


7.3

 今日の本番はバンドネオンのソロ小松さんが直前に体調を崩されて、2曲目と3曲目を入れ替えて演奏するというハプニングがありました。詳しいことは分からないのですが曲降りの私がモニターを見ていたら、ステージの上に誰もいなくなってしまいました。10分ほど小松さんの体調が戻るの待ったのですが、結局ブラームスの1番を先に弾くことになりました。このようなことは前に定期の時にフルートの人が体調を崩し、途中で演奏会が中止になって以来です。
 ルイジさんの指揮は本番が近づくに従って変わってきて、本番の時はこちらが馴染んだこともあるのでしょうが、昨日の感じとは違いました。4楽章の終りの持って行き方も練習の時とはまるで違っていました。

 明日午前11時からの芸大新奏楽堂でのモーニングコンサートで理恵子がショパンの2番を弾きます。今日は2度目の合わせの練習があり、うまくいったと喜んでいました。明日は午前中に芸大に行き、そのあと市川市文化会館でのN響演奏会に行きます。去年の9月28日の市川での演奏会の時はN響の方達を家にお呼びしたのですが、今回はモーニングが市川公演と同じ日なので残念ながらお呼びできませんでした。


7.2

 今日はファビオ・ルイジさんの練習でした。今朝成田に着いてその足で練習所に来るという強行軍だったそうです。ドライバーは練習に間に合わせるようにすごい勢いで走ってきたそうですが、一緒に乗っていた人は恐かったともらしていました。
 ルイジさんはブラームスから練習をしましたが、独特の解釈の持ち主でとても面白い演奏になると思います。例えば4楽章の第1主題などちょっと例を見ないくらい遅いのですが、しばらく行くと普通のテンポになります。またこのテーマが戻ってくるところでも遅くします。また曲の最後でも独特のritardandoがあります。1楽章の出だしなど重量感のある音を出すように、何度も繰り返して練習しました。
 午後からはナブッコの序曲とバンドネオン協奏曲を練習しました。ナブッコの序曲は去年の秋サンティさんの定期の時にも弾きました。その時の印象とはちょっと違いますが、演奏会の最初を飾るに相応しい曲です。

 昨日の夜、新しいレッスン室の2つのスピーカーを並び替えました。

 

 左の写真がメインにしているRogersのスピーカーで、右の写真はその反対側に置いたB&Wです。(つまり部屋の中央から2つの写真を撮っているのです。左の写真の位置で反対側に向くと、右のような景色になるということです。)この並びにすると、両方とも伸び伸びと音が出ています。


7.1

 今日はN響はお休みでした。日頃の睡眠不足を解消するために朝ゆっくり起きました。昼頃近くのショッピングセンターに行って無水アルコールを買いました。これはステレオの接点に付いた手の油をとるためです。パワーアンプからスピーカーの間の全ての接点をきれいにしてみました。そのあと音を聴いてみたのですが音の輪郭がハッキリしたようです。まだ結論を出せるところまで聴くことが出来ないのですが、有効な方法のようです。

 そのあと自分の練習をしたのですが、楽器の持ち方(角度)によってかなり弾き易さが変わるのに驚かされました。左肩の構え方と弓の持ち方を工夫したことによってとても楽に弾けるようになりました。今まで楽器を少し内側に入れ過ぎていたようです。明日からの練習の時に新しい持ち方の有効性を確かめてみようと思っています。

 明日からはいよいよN響夏の陣(夏の演奏旅行を中心とする7〜8月のスケジュール)です。まずは手始めにオーチャード定期と市川、秦野のシリーズです。そのあとはPMFのコンサートです。


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