栄子のひとりごと2002年8月分

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8.31

 8月も終りというのに連日30度を越す猛暑が続いています。昭義先生は今新潟に演奏旅行に行っていますが新潟もこちらに負けないくらい暑いそうです。ただ食べ物は相当美味しいようで羨ましい限りです。私は小さいころ北陸(金沢)に住んでいましたが、毎日リヤカーでお爺さんがカニを売りにきていました。それをゆでて食べたことを思い出しました。この暑さですから何処か涼しいところへのんびりと出かけられたら…という心境になってしまいます。


8.30

 今年も年末に新宿トモノホールでアンサンブルのコンサートを開きます。いつもひとりで黙々と練習しなければならないピアノですが、この企画は家族やお友達との協演を楽しもうという企画ですから、生徒もとても楽しみにしています。。このところ毎日レッスンの合間をぬってアンサンブルのCDを聴いたり楽譜探しをしたりして計画を練っています。誰と誰を組み合わせてなにを弾かせようかと考えているとアイディアが色々と浮かび、早く生徒たちに弾かせてみたくなってしまいました。来週あたりから取り掛かるつもりです。


8.29

 いよいよ夏休みも終りに近づきました。「栄子先生のひとりごと」ももうすぐ一年目を迎えます。ひとりごとを書くようになってから自分自身どのように生徒を育てたいのかということが明確に見えてきました。そして教えるということの面白さ、生徒の可愛さもあらためて強く認識出来たように思います。その日の出来事を振り返ることによって直すべき点が明確になりレッスンにも良い影響が出ています。そのためか最近ほとんどの生徒がものすごくやる気を出しているので一人一人の上達ぶりは目を見張るものがあります。


8.27

 今日は帝国ホテルで表彰式とパーティーがあり、これでPTNAの暑い夏も終わりました。A1級で全国大会に初出場した私の生徒達は本当にこの暑い夏頑張ってくれました。2人とも全国レベルのすごい演奏を聴いて、かなり刺激を受けたようで、今後どのような頑張りを見せてくれるのか楽しみになってきました。
  今回たくさんの決勝出場者の演奏を聴き、またパワーあふれる情熱的な先生方のお話を聞き、私も生徒を暖かく見守り確実に良い方向へ導いてあげる良い案がたくさん湧いてきました。(企業秘密・・・?)生徒には常に高い目標を持ち、いつもきらきらと輝いていてもらいたいです。
 娘を11年間指導して下さった播本先生を初め、幼少時代お世話になった金子先生、指のトレーニングでお世話になっている御木本先生、審査でご一緒だった南院先生、藤原先生、ホームページを楽しみに読ませていただいている長谷川淳先生等の諸先生にパーティーでお目にかかり、貴重なお話をたくさんうかがえ楽しい一時を過ごすことが出来ました。

 家に帰ってくると今年コンクールで思うように弾けなかった子から、お花と大好物のケーキが届いていてこれもまたうれしい出来事でした。今日はなんていい日だろう!!!


8.26

 昨日と今日PTNAの全国大会を聴きに行ってきました。審査員の先生方の中には何人か審査でご一緒した先生がいらっしゃいました。思わず挨拶しそうになりましたが、いけないけない・・・・今日は私は聴衆の一人でした。2つの級を聴き、そのうち1つの級は全部通して聴きましたが、自分が審査しているわけではないのでリラックスして楽しみながら聴かせてもらいました。
 全国大会というプレッシャーの中でいかに集中して自然に弾けるかが一番大切なことだと思いました。本選では思い切り弾けて実力を発揮できていても、いざ全国大会になるとその場の雰囲気に呑まれてしまった子もいました。このような舞台で伸び伸びと自己表現できるということはやはり経験が必要なのでしょう。でもこれで終りというわけではないのだから、失敗した人も思うように弾けなかった人も気持ちを切り替えて来年に続けていくことが大切だと思います。さあ、明日は表彰式だ!!!場所は帝国ホテルです。今年はどんなスターが誕生するのでしょう。楽しみです。


8.24

 朝食のサラダを作っていてスライサーで指を切ってしまいました。朝からついてないなあ・・・・・

 明日に決勝を控えた生徒2人をレッスンし、その後年長さんのレッスン、中級組のソルフェージュと指の痛みに耐えながらレッスンを頑張りました。決勝の2人はびっくりするほど落ち着いていて、明日演奏出来ることをとても楽しみにしています。普段のレッスンとほとんど変わりなくとっても楽しい雰囲気でした。明日も普段通り楽しく弾いてくれそうな気がします。全国大会といえばほとんどの人が大変な思いをして地方から飛行機や新幹線で来て、練習室を探すのも大変なことのようです。私の生徒達は自宅から電車で30分もすれば会場に着けるので、その意味ではとても恵まれています。


8.23

 雨模様の涼しい一日でした。この雨で庭の草花たちも少し元気を取り戻してきました。今はツボミも花も少なく、秋に向かって栄養を蓄えているかのように見えます。少しでも手入れをサボるとすぐに枯れたり虫がついたりという風に答えが返ってきてしまうので、気が抜けません。子育てや生徒と同じですね。生徒は家庭環境、本人の努力の他に、先生の育て方次第というところがあるので責任重大です。


8.22

 朝夕は爽やかな風がふきいよいよ秋も近づいてきました。今年の夏は体温なみの温度が続いたのでこの心地よい風がなによりの元気回復剤です。涼しくなるとあれもしたいこれもしたい…とやる気がモリモリと涌いてきます。来週からピティナの全国大会が始まります。今年は日本中からどんな才能が集まって来るのか聴きに行って見ようと思っています。


8.21

 早いもので8月もあと10日となってしまいました。9月からはまた通常のレッスンスタイルに戻ります。ソルフェージュを2ヶ月お休みしてしまったので、生徒の聴音能力が低下していないことを祈るばかりです。ソルフェージュは定期的に訓練しなければいけないのですが、7月8月はコンクールが多く帰省される方も多いので、なかなか思うようにスケジュールがとれないのが辛いところです。今は私がピアノのレッスンで忙しい時には理恵子がソルフェージュを手伝ってくれていますが、来年には留学してしまうので困っています。最初は忙しいからやりたくないようなことを言っていた理恵子ですが、回を重ねるごとに教えることの楽しさや生徒のかわいさが身にしみて分かったようで、今では自分から積極的にスケジュールノートに書き込んで楽しみにしているので本当に助かっています。


8.20

 特に小さい子供の場合、コンクールなどで1〜2ページ足らずの同じ曲ばかりを何度も弾いているうちにかなりマンネリ化してしまいます。これは大きくなってからも言えることです。最初にその曲に感動した時のインスピレーションは何度も繰り返し練習するうちになくなってきてしまうのです。このインスピレーションを持ち続けたまま演奏会やコンクールにもっていくことはなかなか難しいことです。まだ自分では練習方法を見つけられない子供の場合には手を変え品を変えハノンやスケール、指のトレーニングなどをうまく織り交ぜて、いかに本番まで本人の気持ちをフレッシュにもちつづけられるかが勝負の分かれ道でしょう。練習すればするほどうまくなっていけば良いのですが、方向を間違えればお人形さん(言われた通りにただ弾くだけの自発性のない演奏)のようになってしまうこともあります。本人も周りの人もよほど注意して本番にベストの演奏が出来るようにすることが大切です。


8.19

 今ショパンのワルツをとても活き活きと楽しそうに弾いている子がいます。この子は運悪く今年のコンクールで本選には行けませんでした。実はレベル的には決して予選落ちする子ではないのですが、たまたま受けた地区が大変レベルの高い子ばかりが受けていたということで、残念な結果になってしまいました。この子は小さい頃からいつもひとりでレッスンを受け、しっかりと私の言うことを聞いて理解し、言われたことは必ず次までに直してくる子です。今回のコンクールのことで落胆しなければ良いなと思いながらレッスンしてみると、何とコンクール前と同じようにとても明るく一生懸命に弾いていて、私の方が勇気づけられてしまいました。その様子は本当にピアノが好きで弾いているという姿に見えました。本当に好きならコンクールの結果は影響しないのですね。このような純粋な生徒こそ大切に育てて、本物にしてあげたいです。


8.17

 普段20分もするとアクビをしたり集中力がもたなくなる生徒同士2人を一緒にレッスンしてみました。2人とも普段見せたことのないような真剣な顔つきで、一生懸命ついてきたのには驚きました。眠気やアクビとは無縁の顔つきです。相手がレッスンされている時も、何を言われるのかとても興味をもって聴いていたので、レッスンの効率がとても良く2時間があっという間に過ぎました。当たり前の個人レッスンも大切ですが、時にはこのように楽しく刺激的なレッスンも良いものです。教える方も楽しく、不思議なことにあまり疲れませんでした。


8.16

 今年は北海道から九州まで審査があり、各地でそれぞれに支部の方や一緒に審査をした先生方と楽しい思い出が広がりました。そして審査した子供たちからもうれしいメールやお手紙を頂きました。今日はA2級の生徒さんからの手紙で、「ありがとうございました。」とやっと覚えたての平仮名で大きく一生懸命書いてくれていました。こうして審査のお礼が届くと、腱鞘炎一歩手前の状態で一生懸命書いた講評も、うれしい思い出となりよみがえってきます。また来年も頑張って書いてあげようという気が一層湧いてきました。


8.14

 お盆で田舎に帰っている生徒が多くレッスンがお休みのため、今日は家の中を片付けたり掃除をしたり主婦業に徹しました。主婦の仕事というのはやってもやってもキリがありません。レッスンがないと家の中があっという間に片付き、専業主婦だったらこの家はどんなにピカピカになっているだろうかとため息が出てしまいます。このノンビリした生活もあと1日です。


8.13

 隣に住む両親の家で弟家族とともに楽しいランチパーティーがありました。母が腕を振るって作ってくれたご馳走の一部です。(両親を初公開します。)

 久し振りにノンビリと幸せ気分を満喫しました。

 我が教室では年末にクリスマス・コンサート、来年3月には発表会と大イベントが予定されています。それに向かっての準備と1人1人の基礎力をより一層強化する訓練を充実させることが当面の目標です。どこに出しても恥ずかしくないような基礎力を固めることが私の一番の役目です。
 小さい頃私はツェルニーやスケールの練習が大嫌いでした。多分目的を持たずにただ弾いていたからだと思います。今はツェルニーやスケールを教えることが何より楽しいのだから不思議なものです。


8.12

 朝は秋の気配を感じさせる涼しい風が吹いていました。2〜3日前の猛暑がウソのようです。ずーっと忙しくて家の周りをしばらく見ないうちに、ずいぶん景色が変わっていました。我が家の前の古いお屋敷が無くなり、きれいだった筈の庭には草が所狭しと生えてしまっていました。取っても取っても次から次へと生長する草にはいささかむかつきました。

 今日はコンクールが一段落した生徒が親子で挨拶に来てくれました。コンクールを通して短期間で見事に成長してくれたので、本人は勿論お母様もとてもうれしそうでした。こんな様子を見ているとピアノを教えていて本当に良かったと思います。
 早速次のレッスンを決めようとしたら、夏休みの宿題がたくさん出ていて、そちらをまず片付けてからと言われてしまいました。そういえば何年か前までは自分の子供も宿題がたくさんあったのに、最近はすっかりその大変さを忘れてしまっていました。それぞれに大変な思いをしてコンクールを受けていたのだなと反省させられました。


8.10

 コンクールを受けていない生徒のレッスンを再開しました。約3週間振りでしたが、ツェルニー50番を5曲とベートーヴェンのソナタを1曲、リストの小品を1曲弾いてきました。この子は今中1ですが幼稚園の時にコンクールを受けて2度失敗して以来、コンクールは絶対に受けないという子です。でも大変やる気があり、コンクールの間は先生が大変なので自分で練習しますといって3週間休んでいたのです。本当によく練習してあり驚きました。コンクールを受けなくてもここまで上達する子がいて何とも頼もしい限りです。

 PTNAのコンクールが一段落したので、次のコンクールに挑戦する子や演奏会に向けて曲を練習する子などさまざまで、また楽しいレッスンが始まりました。もちろんコンクールが終わって2〜3日はノンビリして良いですが、そのまま気が抜けて練習しなくなる子がいます。(本当に好きなら2〜3日弾かなかったら指がムズムズしてきます。)結果に一喜一憂しないで気持ちを切り替えて次の準備をして欲しいものです。

 しばらく家の中を片付けたりする時間がなかったので、片付け嫌いの昭義先生にも手伝ってもらって明日は家中をきれいにしようと思います。


8.9

 今日でPTNAの本選も一段落しました。今回は惜しくも本選に行けなかった生徒も含めて本当に皆よく頑張ってくれました。結果よりその努力を褒めてあげたい子ばかりです。
 結果は本選に進んだ生徒全員が賞をいただき、全国決勝大会には2名が進みました。こんな頑張り屋の生徒達を教えられて本当に私は幸せだと思います。
 明日からは少し楽な生活が送れそうです。今日は久し振りにゆっくり眠れます。


8.8

 コンクールも大詰めを迎え、うまくいった人思い通りに弾けなかった人とさまざまです。コンクールを目標に一人一人が考えられないほど頑張ってくれたことが、今年一番の収穫です。何か大きな目標に向かって努力している時の生徒の姿ほど美しく感動できるものはありません。

 このところ毎日ハードスケジュールが続いているので、少々バテ気味です。10日過ぎれば少しは楽になるので、それからゆっくりしようと思います。


8.6

 コンクールでは同じ曲をとことん練習するので、かなり高度な仕上がりになり受けなかったら味わえないような完成度を経験出来るのです。本気になって短期間に仕上げなければならない時、生徒達は普段見せない頑張りを見せてくれます。このようなことから毎年コンクールは一年おきにしようと思うのですが、課題曲を見るとつい毎年やってしまいます。


8.5

 今日もまた暑さが最高でした。スリッパは一日中クローゼットの中に入りっぱなしです。時々出てきてはご飯を食べ、美味しそうに水を飲んでまたクローゼットに入ります。毛皮を着ているので全部剃ってあげたい気分です。

 今日もコンクールの生徒を中心にレッスンをしました。皆本番が近いので緊張している様子です。出来ればコンクールということを忘れて、楽しめれば最高です。
 理恵子が中2で学生コンクールを受けた時の話です。運悪く演奏番号1番があたってしまいました。早い番号は大体において入賞できないというジンクスがあるので、ほぼ完璧にあきらめムードで楽しんで演奏しようということになりました。場所は銀座の王子ホールで、ショパンのスケルツォ1番を楽しく弾き始めました。理恵子はもうすっかりコンクールということを忘れ、気持ち良く上を向いて演奏していたところ頭上に「学生コンクール」という垂れ幕を見つけ、「そうだ、今日は学生コンクールだったのだ。」・・・・・・
 会場のロビーに結果が掲示されるのですが発表時間にはまるで他人事のように友人とお茶を飲み、折角だから誰が入ったかだけは見ておこうということになり、誰もいなくなったホールに行って見ました。何と2位に根津理恵子という文字を見つけ、天と地がひっくり返るほど驚いたことを思い出します。
 入賞するはずなどないと諦めていたので、肩から力が抜け楽しみながら演奏できたから良かったのでしょう。


8.4

 4泊5日で広島の審査を終え、朝7時半の新幹線で帰ってきました。東京駅に昭義先生がうれしそうに迎えに来てくれました。栄子先生もとてもうれしかったです。お昼過ぎに家に着きましたが、2時間ほど休んだあと立て続けにたくさんのレッスンがありました。約400名の演奏を聴き、大きく分けて2つのことを感じました。
1つ目は印象に残らない演奏。
 ・1 先生に言われた通り、お人形さんのように弾く
 ・2 一本調子で何を表現したいのかさっぱり分からない
 ・3 テンポ感がなくたどたどしい弾き方
 ・4 やたら速く機関銃のように弾く
 ・5 色々考えてはいるけれど、大胆さがなくおとなしく目立たない
2つ目は印象に残る演奏。
 ・1 1つ1つの音をよく聴き、丁寧で美しい
 ・2 明るくはつらつとしていて聴いていても見ていても楽しい
 ・3 自分自身の中から湧いて出てくる音楽を心から楽しんでいる
 ・4 自信と勇気と意欲に溢れている
 ・5 テンポ、テクニックが安定している
400名も聴いてくるとこうあるべきという明確な方向性がいやでも見えてきます。おかげで今日のレッスンは熱が入ってしまいました。生徒達にはとても良い刺激になったようです。自発性のない生徒にいくら外側から形を作ろうとしても、なかなか思ったような効果は上がりません。自発性が湧いてくると細かい注意などほとんど必要なくなります。


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