|
・弦 大きく分けてガット弦とナイロン弦の2つに別れます。今手に入るガット弦はPirastroのEudoxa(オイドクサ)とOlive-end(オリーブ)の2種類しかありません。 ガット弦は高くてすぐに悪くなるという話がありますが、それは間違いです。たしかに1本あたりの値段は高いですが、ガット弦はナイロン弦よりはるかにもちます。ナイロン弦が良い音を出すのはせいぜい3週間位ですが、ガット弦は2月位はもちます。(もちろん弾き方によって持ちは違いますが、私が試した限りではこんな感じです。) それと同時に弦のゲージも慎重に選んで下さい。stark(strong)、mittel(medium)、weich(soft)などの感触的表現の場合と、Pirastroのガット弦のようにゲージを数字で表現する場合があります。 ・肩当て 肩当てはとても個人差が大きく、それぞれの方が好みでお選びになって良いでしょう。ただ銘柄によってカーブの取り方が違います。中には上の2つのようにカーブの取り方が正反対のものがあります。自分に合うものを慎重にお選び下さい。 ・顎当て
黒檀、ローズウッド、ツゲの3種類の中から選べます。比重が黒檀はほぼ1.1、ツゲは0.7とかなり違うので、当然音質も違ってきます。黒檀は重心が下がりますが、楽器によっては音の粒が大きくなる場合があります。ツゲは明るい音が特徴ですが、場合によっては神経質に聞こえます。(同じ材質でもメーカーによってかなり音色は変わります。)一般的な傾向を知るのは大切ですが、自分の楽器との相性をしっかり見極めないといけません。 ・テールピース、ペグ 顎当て同様3種類の材質があります。当然音にも影響がありますが、テールピースとペグは顎当てのように簡単には取り替えられません。指板や楽器に手を入れる時に一緒に取り替えてもらうのが良いでしょう。特に顎当て、テールピース、ペグの材質を揃える必要はないので、無理して替えなくても良いでしょう。 |
|
![]() |
![]() |
定番の松脂 右から2つ目がGuillaume |
その他の色々な松脂達 |
また季節によって替えた方が良い場合もあります。一般的には梅雨〜夏は湿度が高いのでサラッとしたLight系、乾燥する秋〜冬はDark系が良いでしょう。物によっては同じ松脂でも夏は少しだけ使い、冬はたくさん使って粘り気を出す、というように使い分けることもできます。 |
|
|
![]() |
弦はそろえて巻き、弦が糸蔵に触ってゆるまないようにして下さい。 全部の弦を交換したら駒を見て下さい。 |
![]() |
駒の自分の側の面が楽器の側面と表面の境の線に対して直角になるようにして下さい。駒の上の面 がこの位置より左に来ている場合は次のようになおして下さい。 |
![]() |
右手の親指と人差し指で弦を強く挟み、左手の親指と人差し指で駒を右に押します。(つまり左手で駒を押して、右手で駒が倒れるのを防ぐ) |
![]() |
駒の角度を直すのにこのスタイルで直すのはお奨めしません。なぜなら力加減が難しく、動かしすぎたとき止められないからです。 指板の下にある白い四角の板のように見えるのは、ウェッジというものでボール紙を何枚も重ねて油紙で包んだものです。これは湿気で指板が下がるのを防ぐために使っています。(楽器をしまっておく時はいつも入れておく) |
左手で駒を押して右手でそれを抑えるのは、右利きの場合右手が強いので、左手で押し過ぎたのを抑えやすいからです。 ウェッジは指板が下がらないようにするためのものです。(ウェッジをしたら指板が落ちない訳ではないので、湿度に対する注意は必要です。)もちろん弾く時は外します。参考までに作り方をご紹介します。 ボール紙から短辺が2cm長辺が6cmの四角形を何枚か切り出し、上の写真のようになる枚数を決めます。そしてそれを油紙のような柔らかい紙で包みます。そして紙絆創膏でとめます。 |
|
たくさんある候補の中から自分に合う物を選ぶには、弾いてみるしかありません。音を聴く時、弾いている本人にどう聞こえるかではなく、会場で聴いてどう聞こえるかが問題です。そういう視点で自分の音を判断するのはとても難しいです。 |