楽器の長期的なメンテナンス
楽器を何年も弾いていると少しづつ劣化が進んでいきます。特に以下の3点にお気をつけて下さい。
1.楽器の胴体の手が当たるところ
ハイポジションを弾くと楽器の肩の部分に手が触るので、ニスが少しづつはがれてきます。木の生地が出てきたら、ニスを塗ってもらって下さい。手の当たるところにテープを張るのも良い方法です。古い楽器ではいつも問題になります。
2.指板
梅雨時など湿気の多いときに左手がきついと思ったら、指板の高さに注意して下さい。指板の延長線が駒とぶつかるところの表板からの高さは標準で27mmです。2mm以上下がると指がきついでしょう。分からなかったら楽器屋さんに測ってもらって下さい。
もしそのような状態になったらまずケースを乾燥して下さい。弾いている間にエアコンのドライの風をケースに当ててみて下さい。(楽器や弓にドライの風を直接当てないで下さい。)
最も有効な方法はバスタオルにアイロンをかけ、熱くなったそれをケースに入れてフタをして1時間くらい放っておいて、湿気をそれらに吸わせる事です。(その時ケースの中身は前部外に出して下さい。楽器、弓はもちろん、松やにも熱に弱いです。練習中にしておくと良いです。)つまり楽器の湿気を乾燥させたケースに吸わせるのです。
ケースの乾燥をしてもまだ指がきつい場合は楽器屋さんに直してもらって下さい。
もう1つは指板の弦の真下の部分がへこむことです。いつも弦を押さえているので、指板がほれてくるのです。こうなったら指板全体にカンナをかけて平らにしてもらって下さい。
3.駒
古い駒をそのまま使っていると弦の張力に耐えきれなくなってきます。一般的には駒は10年から20年くらいは持ちますが、駒の中央が曲がって、お腹が出てきたような状態になってきたら替え時です。
ニスを塗るのはその場で出来ますが、指板を上げるとか駒を新しく切るのは何日か楽器を預けないといけません。このように楽器の状態をよく知っている、皆さんの楽器の主治医となる楽器屋さんを見つけることが大切です。
楽器をどこに置いていますか?
みなさんは休憩時間に楽器をどのように置いていますか?
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このようにイスの背にもたせ掛けてそのままお茶を飲みに行ったりしている人はいませんか。これは自殺行為です。オケの時は色々の用事でこのイスの横を沢山の人が通り抜けます。誰かが間違えて足を引っ掛けたら楽器はどうなりますか。それに見て分かる通り弓が滑り落ちますよ。 |
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どうしてもイスに置きたいならこのようにして下さい。これならまだ被害は少ないでしょう。でも倒されたら楽器は傷つきます。一番確実なのはケースの中にしまってジッパーをかけておくことです。 |
ヴァイオリンを取り扱う上で最低限知っておいていただきたい事2つです。
1.楽器に触るときは絶対に素手でニスに触らないこと
楽器を持つときはネックを持つことです。また楽器の表面を叩いたりしないこと。(軽くてもダメです。)
他の人の楽器を見せていただく時にはこのように持って下さい。絶対に楽器の肩を手でつかまないで下さい。
2.直射日光に当てないこと
ニスが変色します。炎天下でケースを開けるなど厳禁です。
ヴァイオリンを勉強している人が悩む問題の一つに、どのような楽器をいつ買うかという問題があります。
1.どのような楽器:これはただ一言、傷の無い健康な楽器です。
2.いつ買うか:必要な時
3.予算:楽器の予算というのは大変難しい問題です。結局無理しないで買える範囲で最上の楽器を選べば良いのです。また楽器と弓のバランスも大事です。よく先生、楽器屋さんと相談することです。
◎結論:楽器を探している時に、そう都合よく良いものには巡り合えません。実際にはその時めぐり逢えたものの中から選ぶしかできません。今選べるものの中から何を選ぶのか、あるいは見送るのか、難しい問題です。
楽器の値段が上がった現在、オールド(1750年位までのもの)のイタリアの楽器などとても手が出ません。普通の予算だったらフランス製の健康なよく音の出る楽器の方が、高いだけのイタリアの楽器より良いという場合もたくさんあります。お値打ちのイタリヤの名器など絶対にありません。
弓と楽器の予算の割合もよく考える必要があります。その時にめぐり逢えたもの次第で、例えば弓がすごく良かったらそれを軸にして、楽器はそれなりの物にするなど、よく楽器の分かる人に相談なさって下さい。